建設当時,この周辺には幾つもの鉄道が通っていた。
地理院による1974-78年頃の空撮写真。写真下側から左側へ緩いカーブを描いているのが福島高架橋である。僅か200mの区間で,写真下側(南側)から順に阪神電鉄本線,国鉄梅田貨物駅(いわゆる梅田南貨物駅),国鉄大阪環状線を連続して跨いでいる。
この橋の施工に当っては,国鉄や阪神の営業に差し障らないよう施工時間・用地の制約が課せられた。その結果,変則的な支間割が連続する長支間曲線橋となった。当時は未だ曲線桁橋が極稀な時代であり,架設や構造設計に様々な工夫が凝らされた。
なお,この橋が跨いでいた阪神電鉄本線(野田駅西側から梅田駅までの区間)は1993年に地下化された。また梅田南貨物駅は橋の完成から15年後の1982年に廃止され,オオサカガーデンシティとして高層ビルが櫛比する街へと再開発された。
地理院による現在(2007~)の空撮写真。
田中賞とは関係ないが,阪神高速11号線の本線と梅田出入口への分岐点附近に,高速道路が貫通したビルとして有名なTKPゲートタワービル(1992年竣工)がある。冒頭の写真でも奥に見える。
参考文献