カフカス旅行記 6 【アルメニア】エレバン・エチミアジン

カフカス旅行記5の続きです。

最初からはこちら(カフカス旅行記 1 【グルジア】トビリシ~ボルジョミ - ながさっちゃんぽん

 

2020/2/22 エチミアジンエレバン

 

7:00起床。Yandexでタクシーを配車しエレバン駅へ。アルメニアはタクシーが非常に安いので気軽に使える。

この日は一日でアルメニアをざっと観光する。午前中はエチミアジンに行くことにした。

エレバン駅でまず今晩乗車するトビリシ行き国際列車の切符を購入する予定だったが,国際列車窓口はまだ空いていなかった。タクシーの客引きのおじさんによると9:00に開くらしい。

取敢えず近郊列車窓口でエチミアジン行きの切符を購入した。エチミアジンにはギュムリへ向かうアルメニア国鉄が一応通っているが,エチミアジン駅はエチミアジンの市街地から途轍もなく遠い(約14kmも離れている)ので,普通はタクシーかバスで向かう。客引きのおじさんにも鉄道はマジでやばいよと警告された。しかし乗り鉄がしたいので敢えて鉄道で行くことにした。

アルメニア国鉄の時刻表は公式サイト(http://www.ukzhd.am/raspisanie/en/raspisanie1.html)上に公開されている。グルジア国鉄と違い詳細に時刻が載っている。

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今晩乗る予定のトビリシ行き国際列車が停まっていた。

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エレバン7:55発ギュムリ行き列車(#684)。残念ながら目当ての流線形車輛ではなかったが,これはこれで味がある。

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車内。簡素ながら落ち着いた雰囲気。

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8:30,霧のエチミアジン駅に到着。霧の中を発車していくエレクトリーチカが恰好良かった。

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重厚な石造りの駅舎。アーチが美しい。

さて駅舎を出てみると本当に何もない。人の気配も全くない。野犬がうろついているだけだった。幸いYandexでタクシーを呼べたので大丈夫だったが(Yandexでも配車に時間がかかった),配車アプリがないと詰んでいただろう。

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アルメニアではソ聯車をよく見かける。

タクシーでエチミアジン中心部へ移動。アルメニア最古の教会であるエチミアジン大聖堂へ。

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どうやって作ったのか皆目見当がつかない石造の門。

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十字架の周りの石は一体どうやって支えられているのだろうか。石の中に鉄筋みたいなものが入っていたりするんだろうか。刻まれたアルメニア文字がかっこいい。

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石を使った曲線美が凄い。

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大聖堂は残念ながら改修中だった。

宝物館が11:00に開くようなので,1時間半程ぶらつくことにした。軽く朝食を摂り,直ぐ近くのガヤネ教会へ。

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ガヤネ教会。

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大聖堂とこの辺り一帯の教会は世界遺産に登録されている。

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荘厳な扉と壁画。

11:00頃,大聖堂の宝物館で見学の受付を済ませた。11:15から宝物館見学ツアースタート。ロシア人の団体と一緒だったので,説明は全部ロシア語だった。

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ロンギヌスの槍。イエスを貫いたといわれる。

ツアー終了後,タクシーでエレバン駅に戻った。朝に買えなかったトビリシ行き国際列車の切符を購入。クレジットカードは不可だった。二等車で13135ドラム(=2928円)と結構高い。

昼飯を喰いに街中へ移動。地下鉄に乗りRepublic Squareで下車。

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 昼飯のチョウザメ。味付けが完璧でとてもおいしかった。

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人で賑わう市場。アルメニア文字のTシャツを購入。

タクシーでアルメニア人虐殺博物館へ。

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道中見えたKievyan橋。重厚なアーチ橋だが,よく見るとコンクリートが剥げて中の鉄筋が丸見えになっている気がする。

肝腎のアルメニア人虐殺博物館は閉館していた。博物館系へ行く際は開館時間を要確認…。

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ツィツェルナカベルトの丘の上にある犠牲者追悼モニュメント。1915年から数年に亙りオスマン帝国は150万人以上のアルメニア人を虐殺したと曰われる。トルコとアルメニアの国交正常化は2009年に漸く果たされたが,タクシー運転手の話などを聞いていると今なおアルメニア人の反トルコ感情は燻っているようだった。

タクシーで展望台へ。

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展望台からの景色も良いが,この展望台自体が趣深くて良い。

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自由広場の方へ一直線に望めるが,その手前に何かの建物の残骸がある。少なくとも3年程この状態で放置されているらしい。

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恐らく昔はその建物へこの階段が繋がっていたのだろう。応急策的にぶち切って壁を作ったように見える。

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重機の姿もなく,手前の鉄筋は完全に折れており,コンクリートの状態を見ても何かを造っているようには見えない。完全なる廃墟である。

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ここから自由広場方向へは巨大な階段がずっと続いている。一定階層ごとにこのようなモニュメントや噴水がある。中に入るとエスカレーターで移動できる。

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下から階段を見上げる。夜に来れば美しい夜景が望めるだろう。

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エレバンを走るトロリーバス

 

アルメニアはセヴァン湖のザリガニが有名である。自由広場から少し歩いてザリガニ食べ放題の店に入ったが,季節外れなのかザリガニは提供していなかった。

晩飯を食べながら明日のトビリシ→バクーの飛行機のオンラインチェックインをしようとしたところ,決済が上手くいかず予約できていなかったことが判明。移動日が日曜日かつ前日ともなると一日二便しかない飛行機はとうに満席で,E-visaを持っていないので列車での入国も不可能であり,アゼルバイジャン行き万事休すかと思われた。一先ず今晩のトビリシ行き列車の払戻のためエレバン駅に急行。

20:30にエレバン駅に着いたが,既に国際列車の窓口は閉まっていた。発車までの一時間の間,航空券に万一キャンセルが出た場合に備えてskyscannerやButa航空公式サイト,アゼルバイジャン航空公式サイトと睨めっこして粘ることにしたが,21:00頃遂に空きが一席出て何とか奇蹟的に予約できた。

クレジットカード決済後の画面の英語はちゃんと読もう…。それっぽい予約番号と画面が出たから決済できただろうと揣摩憶測すると後で大変なことになる。

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トビリシ行き国際列車。朝見た時とは違う機関車に付け替えられていた。乗車口に立っている係員に切符とパスポートを見せ乗車。

21:30,エレバン駅を定刻で発車。

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二等寝台は四人一室のコンパートメントになっている。私の部屋は私,ロシア人の女性,インド人のおっちゃんの三名だった。ロシア人が英語を話せたため,車掌のロシア語を通訳してくれ,言葉の面での不自由が何一つなかった。インド人のおっちゃんが饒舌で賑やかな夜になった。

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ベッドに横になった様子。消灯前にシーツと毛布が配られた。枕は不潔だったが,全体として寝るのに最低限必要なものは揃っていた。だがコンセントは部屋の中に一つもなく,廊下側の黄昏席にしかない。

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廊下側の様子。

この日は列車で熟睡した。

 

カフカス旅行記7へ続く。

qjitai.hateblo.jp