「Sparkling Ways」歌詞和訳

youtu.be

EZ2ACの「Sparkling Ways」がずっと好きで,EZ2ACをやる時は必ず選ぶ。この曲は歌詞も良いので,その魅力を発信すべく和訳してみた。尚訳文は忠実性よりもなるべく自然な日本語となるよう語順の変更や省略等を伴って意訳している。*1

 

A)

달려나가 꿈을 향해 열려있는 My Way

駆け抜けよう 夢に向かって開いているMy way

달리다 走る/掛かる

달려나가 走り出て行く

ここでは駆け抜けると意訳の上体勧誘形と取るが色々取れる

 

반짝이는 별이 나를 반겨 저기 보이잖아

輝く星が私を出迎える あそこに見えるじゃない

반짝이다「煌めく・輝く」の現在連体修飾形I-는

반기다 迎える

ここでは体叙述形と取る

I- 이니하다→I- 않다→I-잖다

 

달려나가 꿈을 향해 열려있는 My Way

駆け抜けよう 夢に向かって開いているMy way

 

늦었지만 지금부터 다시 너를 위해 잡아보일테니까

遅くなったけれど今また君のために掴んで見せるから

보이다 見える/見せる

지금부터 今から

II-ㄹ테니까 〜するから

 

B)

반짝이는 마음 길을 따라가면 언젠간

心の中の輝く道に沿って行けば いつかは

언젠가+언젠간

 

손에 닿을거라고 나는 지금도 믿고 있으니

この手が届くと私は今も信じているから

손에 手に

닿다 触れる/届く

손에 닿을거라고 手に届くだろうと手が届くと

 

サビ1)

니가 내게 만들어줬던 넓은 세상의 길을 이제야

君がかつて私に作ってくれた広大な世界の道を今になって

III-ㅆ던には今はそうではないというニュアンスがある

 

다시 속에 가득 품어 달려갈게 위해

また私の胸一杯に抱いて走って行くからね もう一度 君のために

속에 가득 품어 心の中に一杯抱いて胸一杯に抱いて

II-ㄹ게 約束形 〜するよ・〜するからね

 

옛날 너와 내가 꿈꿔오던 빛으로 가득한 세계를

昔君と私が夢見てきた 光一杯のその世界を

꿈꾸다 + III-오다夢見てきた

빛으로 가득한 光で一杯の

 

다시 손에 가득 담아 달려갈게 너와 위해

またこの両手一杯に掬って走って行くからね もう一度 君と私のために

손에 가득 담다 両手に一杯盛る→両手一杯に掬うと意訳

 

C)

다시 기억을 되새겨봐 기억나?

もう一度記憶を辿ってみて 覚えてる?

되새기다 + III-보다 振り返ってみる

ここでは体命令形と取る

기억나? 覚えてる?

cf. 기억나다 思い出す

 

너와 내가 그리던 반짝이는 수많은 별들을

君と私が描いた沢山の輝く星を

반짝이는 수많은 輝く沢山の

별들을 星達を

 

サビ2)

지금 내가 새로 만드는 별빛 비치는 길을

今私が敷いた星灯りの照らす道をもう一度

내가 새로 만들다 私が新しく作る

ここでは별빛ではなく길に連体修飾していると取る

별빛 비치다 星の光が光る/照らす

 

다시 너와 함께 손을 잡고 걸어보고 싶은걸 둘이서!

また君と一緒に手を繋いで歩いてみたいの 2人で!

걷다+III-보다걸어보다 歩いてみる

II-ㄴ걸 〜もの・〜もん

 

그래 꿈꿔 왔던 순간이 눈부셔 보이지 않더라도

そしてかつて夢見た瞬間が眩しく見えなくても

 

이제 너와 함께 있으니까 달려가자 너와 위해

もう君と一緒に居るから 走って行こう もう一度君と私のために

 

サビ1)繰返し

*1:その他誤謬等あれば指摘貰えると助かります。

打劇振り返り

打劇DP大会に出場し優勝した。

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裏話を記す。

 

事前準備

予選終了後,本戦出場面子を見て,これは早急に皿とソフランを対策せねばならんとなったので,重い腰を上げて罪過や音楽,皿曲に取り組んだ。結果,当日は自分の武器より寧ろ皿とソフランの方が頭に譜面が入っていた。その過程で出たFAXX2202,音楽2556,ワンブル2094,Red2 3004等は我乍ら結構頑張ったと思う。

今回のルールはポイント制だが,ポイントが同点の時スコア率で決まるので,ereter.netのCompareからスコア率差異をスクレイピングして当日の対戦直前までずっと睨めっこしていた*1

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こんな感じ。自己ベベースでは最良の選曲でも,当日の緊張状況下での安定性を考慮すると中々投げる曲が決まらなかった。得意譜面傾向が全く違う相手の場合は,各自選は取る(取られる)前提で,相手に取られかねないスコア率まで吟味して考える必要があった。

 

前日

会場に前日入りして両方の筐体でテストプレイした。相変わらずのボタンは最高のカシャカシャ度合で,無反応や過反応も皿のガコガコも無かったのだが,唯一の致命的問題として右筐体の画面が極度近視の私と全く合わないことが判明した。青鍵も白鍵も皿もノーツが見えず,ゲームにならない。シンプルノーツからパステルノーツにしたりレーンの明るさを弄ったりしてみたがダメだった。又緑数字もいつもより早く感じた。

後で有識者から聞いた話では,左筐体が途中で画面を換装し実質三次出荷相当の明度,対して右筐体は一次出荷で相対的に明度が小さく,且つ画面の縁が暗くなっており,擬似サドプラのような感覚を齎していたらしい。途方に暮れていたところ別の有識者からライトノーツを試すよう推奨され,1クレだけやってみたところ結構見えたので,取り敢えずはヨシ!としてこの日は退散した。

ホテルでは皿とソフランで未プレイのものを予習していた。桜やHella Deepはこの時に一応浚っていた。Close my eyes for meも要復習リストに入れていたのだが眠過ぎて寝てしまった。

 

当日第一戦目まで

10:00過ぎ現地入り。右筐体でライトノーツである程度は見える(本調子は出ないが)のを確認した。左筐体は相変わらず相性が良かったので1クレだけ確認して退散した。

大会開始後,自分はシードなので準々決勝まで出番が無かったのだが,この間に指が致命的に冷えた。少なくとも長袖を着るべきだった。季節外れだが手袋をした方が良いかもしれない。BPL選手はカイロを握っていたように思う。第一戦目のアップでp†pが自己ベスト-230とか出た時は正直終わったかなと思った。

 

第一戦目 準々決勝 vs GEORGE氏

前回の打劇に引続きGEORGE氏と対戦。因みに前回の打劇以降RISLIMという文字列がすっかりトラウマになってしまった。

相手の得意傾向はガチ押しとソフランだが,スコア率差を考えると一体何を投げられるか不明だった。そういう意味では大会数日前に私が全一更新した音楽を投げられたのはかなり意外だった。罪過はスコア率差はあまり無かったものの,自己ベが負けていたので予想はしていた。

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投げる曲は直前まで延々と悩んだ。1曲目Confiserieは早期に確定していたが,もう1曲をどれにするかで悩んだ。今作やっていない曲が多かった(卑弥呼等)ため,先月末辺りまでやっていた記憶のあるp†pを投げることにした。

心構えとして,音楽については相手の自選を喰う気満々で臨んだ。ポイントで優位に立ってさえしまえばスコア率を気にする必要はないからである。

アップでは冷え過ぎた指を温めるため自選のp†pをやったが,前述の通り自己ベ-230が出てしまった。正直選曲間違えたかなと思った。

1曲目,Confieserie。これはどれだけ不調でもある程度は光るので即決だった。肝腎なのは相手の自選のソフランでptを取られてもそれを上回る差をつけねばならないことであったから,緊張状況下乍らもベストは尽くした。

2曲目,罪過。大会に出るなら必修で,予選後本戦までの間に幾度となく練習していたので特にプレッシャーは感じなかった。只中盤,光らせることに集中し過ぎてブレイクからの再加速時に白5を誤って白4してしまった。慌てて追加の白1をしたが,何とか相手の自選を喰うことに成功した。ここで気持ちが幾らか和らいだが,油断は許されなさった。今思えばこの罪過の適度なノーツ量が指の解凍になったと思われる。

3曲目,p†p。緊張状況下で指が上手く回らなかったが,アップよりはだいぶマシなスコアは出せた。後から聞いた話では相手は大外れを引いていたらしい。やはり大会では正規系で戦える曲が多いと圧倒的に有利になる。

4曲目,音楽。これは喰う気満々で臨んだが,動画で見返すと結構危なかった。開幕で既に30点近い差をつけられており,ここは相手が上手過ぎた。しかし何とか産卵地帯の右手の精度で巻き返した形だった。

 

第2戦目 準決勝 vs MYA氏

MYA氏はズレ跳ね系と皿が特に上手い選手で,とりわけサヨナラヘブンやGolden Palms等低難易度のズレ跳ねに関しては太刀打ちできないくらい上手いので,その辺りが飛んでくると予想していた。後日談では,当初Hella Deepとデッドボヲルを投げる予定であったが,アップで私がHella Deepを予習しないよう急遽私が全くやってなさそうなベイスドロップ(L)に変更したそうだ。私はまんまとアップでベイスドロップ(L)を予習したが,正直1回であの皿を把握するのは不可能だった。

MYA氏への対策として,低難易度のズレ跳ね系は無数に存在するためソフランや皿と違って対策を立てる時間が充分に無いことから,相手の自選を喰うのは難しいと予想しており,スコアレート勝負になると踏んでいた。従って自選で可能な限りの差を付けることを考えると,必然的に地力系になった。相手の嫌がるゴリゴリの地力系選曲*2で申し訳ないが,大会なので仕方ない。

1曲目,黒羽。大会では緊張状況下でどうしてもfastに偏ってしまいがちだが,こういった同時押し系は自然なバネの反動を使うため比較的その心理影響を受けにくく,選曲しやすい。GRID KNIGHT†やCODE:1,ディスコルディア,チアトレ等もそれに該当する。案の定93%は出すことができた。

2曲目,Hella Deep。前日にホテルでソフラン枠として予習はしていたが,跳ねがどこにあるかとか皿のリズムまでは確認していなかったので後半で差をつけられた。しかし曲が好きでよく聴いていたので,全く知らない曲ではなかったのが救いだった。因みに音雲にある赤城みりあのRomantic NowとHella Deepのマッシュアップは最高に笑顔になれるので是非万人に聴いて欲しい。

3曲目,黒イカ。どんなに調子が微妙でも大体鳥は乗る安定感があったので選んだ。やはり本番では緊張で縦連や軸がFASTに寄ってしまい鳥は出せなかったが,充分な差はつけられた。

4曲目,ベイスドロップ(L)。LEGACYをつけるかどうか悩んだが,アップで通常ノーツにCNがあったか思い出せず,結局つけなかった。結果的にはつけた方が良かったと思う。1回やった程度では皿を理解できずしっかりptは取られてしまった。ななひらにやられた。

 

第3戦目 決勝 vs MILK氏

決勝の相手は私のDP RIVALで,常日頃挑戦状を送受信しているMILK氏となった。相手の得意傾向は皿,ソフラン,ズレ跳ね系,単発と多岐に亙り,様々な曲の歴代を保持している。自他共に認める変な曲が得意な人である(失礼)。

唯一の弱点としてはLEGGENDARIAをはじめとしたゴリゴリの地力系で(それでも普通に上手いのだが),私が攻め入る分野としては地力系で確定していた。

寧ろMILK氏との対戦においては如何に相手の自選で差をつけさせないかが肝要であり,特に皿やソフランは無対策で臨めば忽ちのうちに圧倒的スコア率差をつけられかねないので,本戦までの間に様々な皿・ソフランを触った。その成果は冒頭の通り。

さて準々決勝の後から決勝の自選曲発表までかなりの時間があったが,直前まで延々と決めあぐねていた。ちなみに相手側も同様らしく二人してスマホと睨めっこしながら延々と唸っていた。

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スコア率差上位はこの通りではあるが,RIVALとしての勘と相手の得意傾向に鑑みて,単にやっていないだけと考えられるBlue Rain(L)やテレポ(L)は除外された。また緊張状況下での安定感の面からエンスケ(L)以外は正直微妙なところがあり,エンスケ(L)も最大3.96%差程度では心許なかった。やはり少なくとも5%は欲しいところであった。従って博奕にはなるが最もスコア率差の大きいGuNGNiR(L)とBeyond Evolutionを投げることにした。多少の博奕は仕掛けていかないと勝てない相手だった。

対戦前,筐体じゃんけんでこの日初めて相性の悪い右台を引いてしまった。忘れない内にシンプルノーツからライトノーツに変更した。

アップでは自選のビヨエボをやったが,やはり画面相性が悪く自己ベ-230近くが出てしまった。なるようにしかならんと気持ちを入れ替えた。

1曲目,Close My Eyes For Me。要復習リストに入れていたにもかかわらず完全に忘れていた譜面を相手が見事に突いてきたので最悪だった。曲は覚えているがほぼ初見の状態で臨んだ。明らかに最適オプションは正規ではなかった。かなりのスコア率差をつけられてしまったので正直終わったかなと思った。

2曲目,ビヨエボ。アップと比較すると割と光ったが,やはり緊張状況下では指が回らない傾向があった。後半で殆どスコア率差を拡げられず終了。

3曲目,桜。これは前日にホテルで動画復習していたので,喰うつもりで臨んだ。結果的にこの曲であまりスコアレート差がつかなかったことが勝因となった。後で聞いた話では,桜は動画復習だけでは後半の隣接皿の取扱を知悉できず,取りに行ってBADハマりを起こすだろうから選んだとのことだった。まさにその通りで,本番では譜面が来たまんま皿を取りに行ってPOORやGOODを量産してしまった。しかし前半が上手かったのであまりスコア率差はつかなかった。

4曲目,GuNGNiR(L)。理論上は最大のスコア率差がつく曲であったが,あまりに速いので手が充分に温まらないと抑も私が自滅する虞があり,かつ緊張状況下でFASTに偏った時の影響を考えると中々の博奕となった。しかし相手が乱を選んだ時点で内心間違った選曲ではなかったと思った。この譜面はあまりに速くかつ様々なパターンの繰り返し螺旋階段が降ってくるため,乱には基本的に当たり配置が存在しない。百歩譲ってR乱という譜面である。乱と正規系では大きな差が出る。やはり正規系で戦える譜面が多いと大会では圧倒的に有利となった。連皿地帯以外は及第点という光り方をして終了した。

結果的には何とか他選の損失分を自選で補填して余りあり,優勝することができた。

 

最後に

予選から本戦までの期間の間に,打劇の舞台として親しまれてきたドリプラ今池から弐寺が全て撤去されることが発表された。DPに理解があり,しかも大会を開いて頂けるような大変稀少なゲーセンが無くなることは,我々DPerにとっては途轍もなく致命的な心理的ダメージがある。打劇でしか名古屋に行く機会がない私でも悲しいのに,常連各位とドリプラ関係者各位のことを思うと本当に心が痛い。

なので本戦は最後になるかも知れない打劇で必ず優勝するという強い気持を持って臨んだ。

今後,打劇がどのような形になっていくかは誰も予想がつかないが,ここまでの打劇はドリプラ関係者各位の尽力と参加者各位の協力により紡がれてきたかけがえの無い歴史であり,いつの日か復活して欲しいと心から願うし,その際は積極的に私も参加し盛り上げていきたいと思っている。又もし復活に際しクラウドファンディング等があるなら,微力でも協力させて頂きたいと思っている。

ゲームセンターを取り巻く環境は全国的に見て確実に悪化している。理由には様々な憶測があるが,基本的には電気代の高騰,コロナ禍での在宅移行による客離れ等が特に響いていると思われる。私のホームもある日突然弐寺が2台減台され,スタダ240Pに値上げされたりした(後者は後に解消)。他方大阪では学生時代足繁く通ったアム茶が閉店した。全国的にゲームセンターの弐寺撤去や閉店が止まらない。いつも当たり前にある光景がある日突然なくなる可能性があることを認識し,いつものゲーセンに感謝しつつ,これからもゲーセンに努めて足繁く通いたい。又,遠征においては特にBPL参戦企業以外のお店(個人でやっているようなところは特に)を優先して回りたい。一ユーザーとしては,選択と集中ではなく,多様な選択肢が残るようになればいいと思っている。

 

*1:Compare画面しか使わないのでget要求は数回程度,サーバーに迷惑は絶対掛からない範囲

*2:MYA氏「出禁です」

DBHR推し曲

DBHRはDBRより譜面の当たり外れの差が大きくならず,純粋な実力勝負になることが多いため,地力上げを伴うスコア練習にはとても良い。一方でDBRと異なり譜面の特徴を全て消し去ってしまう欠点もあるため,任意の曲について闇雲にDBHRを推せるわけではない。これを踏まえ個人的によくやる特に優れた練習譜面を備忘録として残しておく。

下記は全てスコア狙いでの練習曲を想定している(早入りによるクリア狙いは想定しない)。DBの目的は人によるが,通常DPのスコア力に還元したい場合は,クリアに拘泥せず常に光らせる意識で取り組むことが重要だと考えている。

★はかなり適当だが難易度を表す。尺度は特にないが★1つはテレポ以下,そこから★が増えるにつれ要求地力が段階的に上がっていくイメージとなる。

 

 

 

 

【地力系】

☆10 妖隠し:★ 両手に16分が降ってくる系の譜面を光らせる練習になる。

☆10 OOO:★ 演奏感と楽しさは☆10随一。

☆10 Get set go:★ 演奏感の塊。

☆10 IDOL Syndrome:★ CNと高速乱打の混じる☆10入門。

☆10 Rainstorm:★ これが鳥乗る叩き方を身につければCODE:1も鳥乗る。

☆10 Explorer:★ BPMが遅くしっとり叩けるが不意に混じる4つ押しや高速乱打が侮れない。綺麗に光ると爽快。

☆10 Cranberry City:★ 曲が良過ぎ。それはともかく高速乱打が結構難しい。

☆10 革命穴:★ 力み過ぎると体力切れを起こす。指の力調整に良い。

☆11 GuNGNiR灰:★★ 速さの暴力単鍵乱打。クリア難易度は高くない一方スコア難易度はめちゃくちゃ高い。これが光らせられれば夢路歩も鳥乗るだろう。

☆10 passionate fate:★★ 同時押しも乱打も結構難しい。

☆10 Go Faraway:★★ 3つ押しに認識リソースを取られて他の認識が遅れるとゴリゴリ削られる。3つ押しが絡む休みなしの乱打に慣れるのに良い練習になる。L4Rの足掛かりに良さそう。

☆10 Won Chu Kiss Me:★★ よくわからん楽しさがある。スルメ譜面。かなり難しい。

☆10 Ocean Blue:★★ 全体的に密度が高いが特に終盤が4つ押しラッシュ。

☆10 Backyard Stars:★★ プチ2重階段。仕組太陽の足掛かりに良さそう。

☆11 EXTREME MACH COLLIDER:★★ 1.5重が延々と続く。

☆11 Harmony and Lovely:★★ 終盤1.5重。道中は4つ押し練習にもなる。一石二鳥の素晴らしい譜面。

☆11 Pollinosis:★★ DBRではなくDBHRにすることでトリル地帯も練習になる。終盤は全押しに認識を惑わされないことが重要。

☆11 ミッドナイト堕天使:★★ bpmや曲のイメージに反してかなりの物量で結構難しい。最初から最後までバランスの良い譜面。

☆12 Sense2007 ★★ 超良譜面。quasar DBHRの足掛かりに良さそう。

☆12 A ★★ 序盤は同時押し祭り。終盤は乱打だがほぼ1重階段なので速い以外はそんなに難しくない。一石二鳥譜面。

☆11 Line 4 Ruin:★★★ 終盤回復のためクリア難度は高くないが4つ押しが混じる乱打を光らせるのはかなり難しい。Go Farawayあたりは光らせられる地力が必要。この譜面に関してはDBRよりDBHRの方が練習向きだと思う。

☆11 SHADE ★★★ DBRより難しくない。

☆11 the shadow ★★★ 要所要所で2重乱打が降ってくるが,3つ押しも多くしっかり認識し切らないと綺麗に押せない。

☆11 quasar ★★★ 2重乱打の代名詞。

☆11 Wonder Girl ★★★ バランスの良い乱打譜面。5つ押し3連発は圧巻。

☆12 Scripted Connection⇒A mix ★★★ quasar DBHRとSHADE DBHRを足して2で割ったような譜面だが物量が凄いので力むと悲惨なことになる。

☆11 Programmed Sun ★★★★ DBRより当たり外れが小さい。超良譜面。

☆11 Programmed World ★★★★ 仕組太陽とまた系統が異なる難しさがある。

☆11 MINT:★★★★ 綺麗に押し切るのは途轍もなく難しい。DBRも名譜面。

☆11 The Shining Polaris Remix:★★★★ 高速乱打。終盤にかけて段々密度が上がっていき最後は1.5重になる。

☆11 UNDERWORLD HOLOGRAPHY:★★★★★ 何も押せんが楽しいのは何故。

☆12 FIRE FIRE:★★★★★ 何も押せんが楽しい。

☆12 VANESSA:★★★★★ 2.5重乱打とでも謂おうか。楽しいけどわけわからん。

 

【同時押し系】

☆9 Mel:★ 時々4つ押しが混ざる。MAX-表記で合格ライン。

☆10 Breaking the ground:★ 3つ押し主体。1クレ1曲目のウォーミングアップに良い。

☆10 Mind Mapping(L):ひっきりなしに3つ押しが降ってくる。BPMも遅いので練習向き。時折4つ押しが混ざる。

☆10 Sugerplum:★★ 3つ押し主体だが終盤は4つ押しが増える。

☆10 The Wing of Hearts:★★ 休みなく3つ押し,時折4つ押し。CNが絡む。

☆10 EDEN:★★ 速い。基本的には3つ押しだが偶に4つ押しが絡む。

☆10 Jack:★★ 3つ押ししかないがとにかく速い。

☆10 do the thing:★★ 4つ押しが絡む。

☆10 KAMIKAZE:★★ 4つ押しが絡む。

☆11 Ventriloquist:★★ 多彩な4つ押し。乱打はそんなに重くない。

☆11 R5:★★ 多彩な4つ押し。トリル地帯が暇なのが玉に瑕。

☆10 CUE CUE RESCUE:★★★ 曲全体を通して基本的には密度の薄い乱打系だが中盤と終盤に4つ押しが絡む。比較的当たり外れがある。

The Wind of China Express:★★★ 休みなく3つ押し,中盤は4つ押しが複雑に絡む。終盤は地力も必要な物量。

☆11 Daily Lunch Special:★★★ とにかく速い3つ押し。終盤回復のためクリア難度自体は高くないが綺麗に光らせるのには完璧な3つ押し力が必要。

☆11 Ritual of Anubis:★★★ 同時押しに分類したが乱打と同時押しのバランスがとても良く演奏感もありブレイク前はしっかり難しい。☆11でもかなり上位の楽しさだと思っている。最初から最後まで味がある譜面。

☆11 Ruler or Loser:★★★ 道中は5つ押しの絡む同時押し,終盤はCNの絡む3つ押し。mosaicの入門に良さげ。最近はこればかりやっている。

☆11 Sakura Reflection:★★★ かなり難しい。流すように光らせる技術が必要。

☆11 Journey(L):★★★★ pangaea bitter14を彷彿とさせる。最初から最後まで重いが終盤は特に重い。

☆11 WISE UP!(L):★★★★ サビ以降の密度が凄まじい。5つ押しが時折混じる。

☆12 mosaic:★★★★★ 終盤だけが真の姿なので終盤までは赤ゲージ維持くらいの地力が必要。どうしても当たり外れが大きい。

 

【CN系】

☆11 10000 MILES AWAY:★★ プチCN。

☆11 Onyx:★★ CNが面白い。

☆11 Rejection Girl:★★ 終盤回復,基本的に★★相当の乱打譜面,CNは★1兆くらいある。

2023.7.17 蒜頭糖廠(台湾嘉義県六脚郷)

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高鉄嘉義駅から西側を望む。高鉄嘉義駅は在来線嘉義駅よりもかなり西側に外れた辺鄙な場所にある。

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高鉄嘉義駅の北西側に蒜頭糖廠五分車の高鉄駅があり,糖廠との間を往復運行している。近年観光用に延伸開業した線区で,橋頭糖廠の五分車之旅より実用的な区間かつ相当の路線長を誇るが,本数が休日のみの1日4往復と非常に少ないため,高鉄から糖廠への移動手段としてはいまいち使えない。この日は月曜日であったため運休であった。

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奥側が糖廠方面。踏切には遮断桿がない。五分車に乗用車が衝突すれば忽ち顚覆するだろう。

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曲線諸元標識。鈍足の五分車で且つ終着駅構内であるにも拘らずカントが3mmついている。

タクシーで糖廠に移動。約150元。

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糖廠に着くも,月曜日の為か広大な敷地内に私しか観光客がおらず,本能的恐怖を感じた。人の気配が全く無い。週末の橋頭糖廠とは全く雰囲気が異なる。

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糖廠内の日本家屋。

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糖廠内の公園と亭。

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糖廠内の旧社宅と見られる。漸く人の気配があり,何世帯か生活しているようだった。

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五分車の糖廠駅。高鉄までは前述の通り休日のみの1日4往復であるが,平日でも30人以上の予約があれば運行される。月曜日は保守作業のため運休となる(祝日の場合は順延)。

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嘗ては糖廠から更に北方向にも五分車の線路が伸びていたらしい。工場敷地内に大きなヤードを保有していた。

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現行全列車のダイヤ。

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駅舎。現在工事中で臨時移転となっている。

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道床という概念が無い。

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臨時乗降場の先の踏切。

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現行観光列車用編成。高鉄駅には機廻線がないため,機関車の着き方を見るにどちらかの方向には常に押込みの形となるだろう。

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軌間欠線部に顕著な軌道変位。BGが取れないに違いない。
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臨時乗降場。

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西方に延伸工事をしている模様。この先で作業員3人で軌道工事を行っていた。蒜頭の五分車は今後も伸びていきそうである。

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木々の間に残るレール。

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防空壕と見られる。

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林間に佇む貨車。

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積卸設備。

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貨車を自動で制禦する装置と思われる。突放による仕訳が行われなくなった日本では今や失われた機構だろう。

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工程図。

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工場系統図。

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雰囲気に圧倒される。相変わらず人の気配が無いのもあってより無機質さを増す。

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元五分車の車庫と思われる。

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台糖のアイス。正直味は日本のスーパーカップの方が好きだが,台糖に来たらこれを喰わねばならない。暑い台湾の夏には堪らない。

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美しく整備された廃線跡

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帰りはバスにしたが,この時刻表は嘘八百である。正しい時刻表はバス停のLED案内か嘉義県iBusをアプリで参照すれば良い。

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2023.7.16 高雄臨港線跡(台湾高雄市)

高雄捷運西仔灣駅直ぐに広大な鉄道廃線跡が広がっている。

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ここは嘗て高雄臨港線の高雄港駅,更に遡れば旧旧旧高雄駅があった場所である。広大なヤード跡は保存運動もあって現在は"哈瑪星鉄道文化園区"として一帯が公園として整備されている。"哈瑪星"は日統時代の通称「浜線(ハマセン)」に対する台湾閩南語の当て字である(Há-má-seng)。尚,高雄は旧称 "打狗" であり,日統時代に日本語に音写した "高雄" に改称され,それが戦後そのまま引き継がれている。

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嘗ての輸送本部跡。


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転轍機標識が寂しく佇む。

 

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殆どが大正14年形分岐器と見られる。これだけの数のファングボルトの管理はさぞかし大変だったに違いない。

東側の数本を除いて殆どはダルマ(錘式転轍機)である。東側の数本については現在の軽軌軌道に接続し東臨港線に至る本線又は通路線であった。

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公園路橋北側から海側を見る。南北方向に木道が敷かれ,その西隣2線が軽軌に転用の上軌道整備された。その更に西隣の廃線跡(写真右端)でパイスケ状の籠による砕石撒布とビータによる搗き固めをしていた。

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公園整備の際生じたと思われる中古レールの山。


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"護軌" = ガードレール。日本でも嘗ては「護輪軌条」と呼称した。

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"尖左10#" = 10番左トングレールだろう。大正14年形分岐器は直線ポイントであり,トングレールは左か右かの2種類しかない。

 

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継目板,タイプレート,転轍機の残骸等が打ち捨てられている。

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軽軌の踏切は警音装置と明滅装置のみで遮断桿はない。横断時は地味に怖い。

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第二種車止め。


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倉庫群。殆どがリノベーションされ観光活用されている。

 

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軽軌真愛碼頭駅の伸縮継目。

 

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数年前,鼓山まで未開通の時期に訪問した時と比べると,軽軌は最早住民や観光客の足として無くてはならないものになりつつある。

2023.7.16 彰化扇形庫(台湾彰化県彰化市)

桃園より高鉄で高鉄台中,新烏日から在来線で彰化へ。

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道中の成功駅。新烏日からの在来線南下方面は乗り誤ると彰化ではなく成追線を経て通霄に至る。私は乗り間違えたが成功駅到着のアナウンスで気付けたため途中下車した。

 

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現役車庫であるが一般に公開されている。この日は日曜であり親子連れで賑わっていた。

転車台進入速度は3km/h以下との標識がある。

 

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レール高さの実測値が120mmであったのでASCE 37kgレールと見て妥当だろう。*1


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第三種II号車止めを途中で切断したような形の車止め。

 

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相対的に強い荷重が掛かる踏切部分はPC枕木が使用されていた。締結装置は線ばね。


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転車台接続部分は双方の左右にガードレールが設置されていた。


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ピット部直結軌道。

 

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車輛接触限界標。


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配線略図。


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転車台のレールは遠方目視では判別不能であった。形状からして継目板は少なくとも日本には一般的でない物だろう。

*1:別に悪いことをしているわけではないが親子連れの中で白昼堂々と定規を当てるのもあまり宜しくないと思われたので隅の方で計測した。

韓国語学習者のための朝鮮漢字音入門①

韓国語を学習していると,韓国語の語彙の中に日本語と"似た"響きの物があるように感じられる。例えば,鞄 '가방' ,靴 '구두',到着 '도착',約束 '약속' 等である。この内,鞄 '가방' や靴 '구두' は日本語由来の外来語である*1。一方,到着 '도착',約束 '약속' 等は昔の中国語に由来する外来語であり,漢字語(한자어)と呼ばれる。日本語の「到着」「約束」も漢語であるから,両者共に昔の中国の漢字音を祖先に持つため,その子孫にあたる両者で"似た"発音となる漢字の組合せが存在するわけである。

韓国語にはとりわけ漢字語が多く存在する。日常挨拶で用いられる '감사합니다' の '감사' も漢字語「感謝」であるし,'안녕하세요' の '안녕' も漢字語「安寧」である。노래방の '방'「房」,'강하다' の '강' 「強」,별로の '별' 「別」等固有語との結合例も多く見られる。また意外な語も実は漢字語もしくは漢字語由来であることがある。例えばキムチ '김치' は元は漢字語「沈菜」 '침채' であったが音の変化*2によって現形になっている*3。'재미있다' の '재미' は漢字語「滋味」の転訛である*4。'진짜' の '진' は漢字語「真」であるが*5,'짜' も漢字語「字」に由来するのではないかという説もある*6。その他の面白い漢字語の例として,「取消」'취소'や「取扱」'취급'といった日本語由来の漢字語も存在する。このように韓国語には多数の漢字語が存在するため,朝鮮漢字音について体系的に知ることは,単に日本語と韓国語で似た音の響きの語彙が存在するという表象的な理解だけでなく,ハングルの背後にある漢字形態素単位での記憶を通じ,語学的に様々な面で有益な知識を得られる。

さて,現代の日本漢字音*7と朝鮮漢字音は,先程の到着─'도착',約束─'약속' といった例のように全てが全て"似た"音の響きかといえばそうではない。例えば「形」は日本漢字音でケイ・ギョウ,朝鮮漢字音で '형' である。「日」はニチ・ジツに対して '일' である。恐らく大半の日本語話者の直感として両者が"似た"音の響きだとは思えないだろう。これは,両者共に昔の中国の漢字音を祖先に持つと雖も,その基層となった時代が異なる他,日本漢字音は日本の中で,朝鮮漢字音は朝鮮の中で,それぞれの言語の中で変貌を遂げてきたことに起因する。例えば日本漢字音で「~ツ」「~チ」で現れるものは,隋唐時代前後の長安漢字音(中古音)に存在したt入声と呼ばれる音節末子音を反映している。然るにこの音節末子音は中国北方では次第に弱化し,現代北京音では完全に消滅している。朝鮮漢字音ではt入声がㄹ終声で現れるが,これは弱化していくt入声の過渡期を反映したものと考えられる*8。故に日本漢字音で「〜ツ」「〜チ」のものが朝鮮漢字音では「-ㄹ」で現れる。また,新仮名遣いで「こうしょう」と書き /コーショー/ と発音する現代日本語の漢語を考えてみると,「高尚」「工廠」「鉱床」「交渉」「校章」「公称」「哄笑」など枚挙に遑が無いが,これらは旧仮名遣いではそれぞれ「かうしやう」「こうしやう」「くわうしやう」「かうせふ」「こうしやう」「こうしよう」「こうせう」等と書き分け,発音も昔は概ねそのように区別された。しかし日本語の歴史の中で,日本語の中での音変化により,「かう」も「こう」も「くわう」も「かふ」も「こふ」も全て /コー/ に合流し,「しやう」も「しよう」も「せう」も「せふ」も全て /ショー/ に合流したため,現代日本語で上記のような多数の同音異義語が生じており,元来別の字音だったグループの区別が失われた。一方で朝鮮漢字音も朝鮮語の歴史の中で変化してきた。例えばソウル方言では複母音が単母音化し,アレア 'ㆍ' が他の母音に合流し,アクセントを喪失した。抑も昔の中国漢字音が日本語や朝鮮語に伝来した時点で,それらは日本語や朝鮮語の音韻体系に沿うような形で取り入れられたのが,以降それぞれの言語の中で変化していくにつれ両者の乖離は益々大きくなっていった。故に朝鮮漢字音と日本漢字音は同じ祖先を持つと雖も全く似ていないと感じられることがあるのである。

しかし,全く似ていない日本漢字音と朝鮮漢字音であっても,元を辿れば昔の中国の漢字音である。日本漢字音や朝鮮漢字音を含む様々な地域の漢字音から比較言語学的手法と文献学的手法によって昔の中国漢字音が再構され,逆にそこから現代の日本漢字音や朝鮮漢字音に至る変化を科学的に説明することができた時,両者の間には確かに対応関係があることを知るのである。そしてその対応関係を逆に利用すれば,例えば日本漢字音と北京漢字音から朝鮮漢字音の音価を部分的に推定するといった語学的にも利用可能な知識を得ることができる。

この対応関係を理解するためには,音韻,音声学,比較言語学といった言語学の基礎知識がまず母胎として必要となる。そしてそれらを応用した中古音韻学を学習する必要がある。尚,本入門では学術的正確性より語学学習者への簡明さを追求する。

 

1. 音韻と音声

1.1 音素

日本語では蚊 /カ=/ と蛾 /ガ=/ ,柿 /カキ=/ と 鍵 /カギ=/ のように「カ」と 「ガ」の違いで意味が変わるものがある("="は平板型アクセントの意)。それぞれの発音を便宜上訓令式ローマ字で表してみると,

(1) ka= ga=

(2) kaki= kagi=

となる。これは他のカ行音・ガ行音でも見られる。新規/審議,苦悶/愚問,開ける/揚げる,子/碁を訓令式で綴れば

(3) si]nki si]ngi

(4) kumon= gumon=

(5) akeru= ageru=

(6) ko= go=

のようになる("]"はアクセント核の意。後述)。(1)〜(6)の例は全て,アクセントを含めても 'k' と 'g' が異なる以外は全く同じ表記であって,実際同じ発音であるから,我々は心理的に 'k' と 'g' を区別し,それによって意味を区別する対があることがわかる。このような例を最小対(minimal pair)といい,ここに日本語では音素(phoneme)として /k/と/g/があることを知る*9 。一般に音素は/ /で囲んで表記される。

同様に,田圃  tanbo= と蜻蛉  tonbo= は /a/と/o/の最小対である。このような例は探せば無数にある。金庫 ki]nko と ちんこ ti]nko(/k/と/t/),着る kiru= と 知る siru=(/k/と/s/),金 kane= と 壁 kabe= (/n/と/b/)といった具合である。それらを帰納させていくことで,日本語の音韻体系が判明していく。

またアクセントも意味弁別に寄与する。例えば東京式アクセントでは 日 /hi=/,火 /hi]/ が最小対である。ここで,=は平板型,]は核の位置を示す。東京式アクセントに於ける核とは音程(ピッチ)の急激な下降位置を示す*10。「日が(照っている)」と「火が(燃えている)」でピッチを比較するとよくわかる。他にも

(7) 気 ki=  木 ki]

(8) 端 hasi= 箸 ha]si 橋 hasi]

等が最小対として挙げられる。アクセントやイントネーションといった超文節的な音素を超文節音素という。

 

1.2 音声

音韻をより詳しく理解するためには音声学の基礎知識が必要である。

例えば日本語のカ行音の子音 /k/ とガ行音の子音 /g/ の音声についてその発音機構を考えてみると,両者共に舌の後方が軟口蓋に接触して気流の通り道を閉鎖し,それを破裂させることで発音している。軟口蓋とは,口腔内の天井にあたる口蓋の奥側の部位である。試しに舌で歯の裏側から喉奥の方へ口蓋を撫でてみると,ある箇所までは硬く(=硬口蓋),ある箇所から軟らかく(=軟口蓋)なることが判る。因みに /k/ や /g/ の調音点が軟口蓋であることは,閉鎖直前状態の口形で息を吸ってみると軟口蓋が冷たくなることからも納得できるだろう。また,喉に手を当てて「かがかがかが…」と交互に連続して発音してみると,/k/ の音声の部分だけ声帯振動せず(=無声音),それ以外の音声(/a/ /g/)の部分では声帯振動していることがわかる(=有声音)。以上の機構を踏まえ,音声学的には /k/ の音声を無声軟口蓋破裂音,/g/ の音声を有声軟口蓋破裂音と呼ぶ。即ち,一般に日本語における /k/ は無声軟口蓋破裂音,/g/ は有声軟口蓋破裂音で通常発音される。実は仮名の濁点は元来同じ調音点・調音方法の無声音と有声音を区別する記号である *11

ここでIPA(International Phonetic Alphabet; 国際音声記号)を導入する。IPAとは世界中の言語の音声を統一された表記で表せるよう作られた発音記号であり,問題点や議論はあるものの一般的に音声学の入門教科書ではIPAが用いられることが多い。ある言語の通時的な音韻変化を記述するのにも役に立つ。IPAの一覧は(https://www.internationalphoneticassociation.org/sites/default/files/IPA_Kiel_2015.pdf)で閲覧できる。一般に音声は [ ]で囲んで表記される。先述の内容を改めてIPAで示すと,日本語のカ行音の子音音素 /k/ の音声は通常 [k](=無声軟口蓋破裂音),ガ行音の子音音素 /g/ の音声は通常 [g](=有声軟口蓋破裂音)で発音される。

次に,日本語のラ行音の子音音素 /r/ について考えてみる。一般に日本語のラ行音は舌の先端が歯の裏の歯茎部分近傍を弾くことにより調音される。この音は音声学的には有声歯茎弾音といい,IPAではɾと表記される。とはいえ,一般的に日本語話者はそのように発音するものの,全員が等しく同じ発音をしているわけではない。例えば日本語話者でも舌の長い人のラ行音は有声歯茎側面摩擦音(IPA: ɮ)で聞こえることがある。また英語のLでお馴染みの歯茎側面接近音(IPA: l)で発音する人もいる。

しかし,例えば「襟」を [eɾi]と発音しても,舌の長い人が [eɮi] と発音しても,ある人が [eli] と発音しても,日本語話者の心理的には全て同じ音素の音声として受容されるだろう。つまり,[ɾ]と[ɮ]と[l] という音声を区別することにより意味を区別するような最小対は日本語に存在しない。

ここにおいて,[ɾ] も [ɮ] も [l] もラ行音子音 /r/ という音素の範疇の中にある音声であり,これらは同一音素の異音 (allophone)の関係にある。音声と音素は明確に違いを理解せねばならない。一般に音素が/ /で囲われるのに対し,音声は[ ]で囲われる。

他にも例を挙げると,桑田佳祐の『真夏の果実』等の歌曲に見られるように,歌手は時折カ行音を有気音という帯気した破裂音(IPA:ʰを附す)で発声する。しかし日本語では有気音か無気音かの区別により意味の区別が生じるような最小対はない。「蹴り」を [kʰeɾi] と発音しようが [keɾi] と発音しようが同じ /keri/ であって,[kʰ] か [k] かで意味を区別するような組合せはない。また,一般にカ行音は無声軟口蓋破裂音 [k] で発音されるが,人によっては更に喉の奥の方で調音して無声口蓋垂破裂音 [q] で発音したりする*12。もっと言うと,厳密に言えば「カ」を100回連続で発音すれば微視的には絶妙に気流の量や調音点に差異が生じている筈であるから,音声としては100回とも違うものと考えられる。しかし,それらの差異によって意味を区別する最小対は存在しない。[k] も [q] も [kʰ] も日本語においては同一音素 /k/ の異音でしかなく,心理的には同じ音として捉えられるのである。

ここにおいて,語学的に困難な課題に直面することになる。異なる言語の音韻体系は異なることが多いからである。

例えば,韓国語の音韻体系ではㄱ[k] とㅋ [kʰ] と ㄲ [k*] を区別する*13。下記のような最小対がある。

(1) 기(気) 키(背丈)

(2) 가지(種類) 까지(まで)

(3) 크다(大きい) 끄다(消す)

しかし日本語の音韻体系では [k],[kʰ],[k*]の区別はない。これらは同一音素 /k/ の異音であるから,心理的には同じ音として捉えられる。よって日本語話者は普通,語学学習による鍛錬を積まねば上記(1)〜(3)を聴き分けることができない。

同様に,韓国語ではㅜ /u/ と ㅡ /ɯ/ を区別する。最小対として下記のようなものがある。

(4) 굴(牡蠣) 글(文,文字)

(5) 죽(粥) 즉(即ち)

(6) 다루다(扱う) 다르다(異なる)

しかし日本語では一般にその区別はなく,同一音素 /u/ の異音であって心理的には同じ音として捉えられ,語学学習を積まねば(4)〜(6)を聴き分けられない*14

逆の現象もある。日本語ではザ行音/z/ [d͡z] とジャ行音 /ʑ/ [d͡ʑ] を区別する*15。最小対として下記のようなものがある。

(7) 増設 [d͡zo̞ːset͡sɯ̹] 常設 [d͡ʑo̞ːset͡sɯ̹]

(8) 象さん [d͡zo̞ːsäɴ] 嬢さん [d͡ʑo̞ːsäɴ]

しかし韓国語の音韻体系ではその対立がないため,韓国人の日本語学習者は(7),(8)の聴き分けに鍛錬を要するだろう*16

 

1.3 自由異音と条件異音

異音には自由異音条件異音がある。自由異音とは,恣意的に現れる関係の異音である。先程の例でいえば,100回連続で/カ/と発音しても厳密に言えば微視的には100回とも違う音声であるが,これらは自由異音の関係である。また歌手が/カ/を有気音で発音したり無気音で発音したりするのも自由異音である。

一方,条件異音とは恣意的でなく,ある条件によって決まった音声が生じる関係の異音である。例えば,韓国語においてㄱは一般的に,語頭では無声音 [k] で現れ,語中では [g] で現れる*17。これらは決まった条件下で決まった音声が現れる条件異音の関係にあり,普通互いの条件領域を犯して現れることはない。つまりㄱ/k/ という音素について

①語頭で [k]

②語中で [g] 

という条件異音が存在し,これらは互いに相補的な分布をなしている。「相補的」や「相補分布」という単語は,条件異音を考える上で重要なキーワードとなる。

日本語の伝統的東京方言のガ行音は,語頭では [g] で発音され,語中では [ŋ] で発音される。これも条件異音で説明されることが多い*18*19

最後に,日本語の撥音 ン /N/ について考えてみる。次の語彙を注意深く発音してみる。

関西 /kaNsai/  [n]

難波 /naNba/ [m]

天国 /teNgoku/ [ŋ]

遭難 /sounaN/ [ɴ]

酸素 /saNso/ [n] *20

蒟蒻 /koNnyaku/ [ɲ]

勘案 /kaNaN/ [ã]及び[ɴ]

このように撥音 /N/ は音声としては実に様々な種類を持つが,これらは全て同一音素 /N/ の条件異音と解釈できる*21

 

次回は比較言語学について簡単に触れつつ,中古音韻学を紹介する。

*1:우리말샘

*2:近代に起こった口蓋化(/k/→/t͡ʃ/)の過剰修正

*3:우리말샘

*4:우리말샘

*5:우리말샘

*6:en.wiktionary

*7:訓読みは和語なので考慮しない。但し極僅かに昔の中国語との関聯が考えられる和語もある(「熊」/くま/ 等)。

*8:有坂(1968)

*9:音素の定義については生成音韻論など様々な立場から論争があるが,中古音韻学の理解には不必要な話なのでここでは触れない

*10:東京式アクセントは下げ核の有無と位置を区別するが,山梨県奈良田や中期朝鮮語では上げ核の有無と位置を区別する。即ちピッチの急激な上昇の有無と場所が区別される。

*11:但し現代日本語では四つ仮名の問題もある。またハ行音は原初は現在のパ行音であって, [p] → [ɸ] → [h]と変遷したとされる

*12:某首相はそうであった。

*13:IPAでは朝鮮語の濃音を表記する明示的な記号が存在しないため,ここでは * と表記する。濃音は喉頭の緊張を伴う無気音である。

*14:日本語の/u/の音声については,東京方言を基層とする所謂標準語では 一般に[ɯ̹]または[u̜]の如く現れる。これは朝鮮語のㅜ[u]とㅡ[ɯ]の中間の音であり,微妙な円唇性をもった後舌狭母音である。但し関西方言の/u/は東京方言より強い円唇性を持ち[u]に近いとされる。

*15:日本語のザ行音及びジャ行音は元来有声摩擦音であるが,現代日本語では特に語頭では破擦音で現れる。筆者の内省では寧ろ摩擦音で現れることは極めて少ない。

*16:二ノ宮et al.:韓国人日本語学習者による 「ザ行音」「ジャ行音」の聴取・発話能力の関連性,2010

*17:厳密には語頭で [k],語中で有声音に挟まれると [g] になり,それ以外の時は終声ㅎの後で[kʰ],その他の終声の後で[k*]となる。しかし曩に最小対を示した通りこれらは別音素であって,音素交代である。

*18:但しガ行音の鼻濁音化は実際には非常に複雑な法則があるため,この説明に対しては形態音韻論的観点からの批判的解釈もある。

*19:東京方言を基層とする所謂標準語を使用する報道機関ではこれらを使い分けて発音してきた経緯がある(https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/pdf/20170401_6.pdf)。

*20:一般には [n] とされるが,私の内省では [ɴ] で現れる。何故だろうか?

*21: 生成音韻論的立場からは素性不完全指定(Underspecification)で説明される。即ち日本語の撥音は [+nasal] の素性を持つものであって,[anterior]や[coronal]といった素性は直後の音から指定されるという解釈である。ここでは生成音韻論については詳しく触れない。