打劇振り返り

打劇DP大会に出場し優勝した。

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裏話を記す。

 

事前準備

予選終了後,本戦出場面子を見て,これは早急に皿とソフランを対策せねばならんとなったので,重い腰を上げて罪過や音楽,皿曲に取り組んだ。結果,当日は自分の武器より寧ろ皿とソフランの方が頭に譜面が入っていた。その過程で出たFAXX2202,音楽2556,ワンブル2094,Red2 3004等は我乍ら結構頑張ったと思う。

今回のルールはポイント制だが,ポイントが同点の時スコア率で決まるので,ereter.netのCompareからスコア率差異をスクレイピングして当日の対戦直前までずっと睨めっこしていた*1

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こんな感じ。自己ベベースでは最良の選曲でも,当日の緊張状況下での安定性を考慮すると中々投げる曲が決まらなかった。得意譜面傾向が全く違う相手の場合は,各自選は取る(取られる)前提で,相手に取られかねないスコア率まで吟味して考える必要があった。

 

前日

会場に前日入りして両方の筐体でテストプレイした。相変わらずのボタンは最高のカシャカシャ度合で,無反応や過反応も皿のガコガコも無かったのだが,唯一の致命的問題として右筐体の画面が極度近視の私と全く合わないことが判明した。青鍵も白鍵も皿もノーツが見えず,ゲームにならない。シンプルノーツからパステルノーツにしたりレーンの明るさを弄ったりしてみたがダメだった。又緑数字もいつもより早く感じた。

後で有識者から聞いた話では,左筐体が途中で画面を換装し実質三次出荷相当の明度,対して右筐体は一次出荷で相対的に明度が小さく,且つ画面の縁が暗くなっており,擬似サドプラのような感覚を齎していたらしい。途方に暮れていたところ別の有識者からライトノーツを試すよう推奨され,1クレだけやってみたところ結構見えたので,取り敢えずはヨシ!としてこの日は退散した。

ホテルでは皿とソフランで未プレイのものを予習していた。桜やHella Deepはこの時に一応浚っていた。Close my eyes for meも要復習リストに入れていたのだが眠過ぎて寝てしまった。

 

当日第一戦目まで

10:00過ぎ現地入り。右筐体でライトノーツである程度は見える(本調子は出ないが)のを確認した。左筐体は相変わらず相性が良かったので1クレだけ確認して退散した。

大会開始後,自分はシードなので準々決勝まで出番が無かったのだが,この間に指が致命的に冷えた。少なくとも長袖を着るべきだった。季節外れだが手袋をした方が良いかもしれない。BPL選手はカイロを握っていたように思う。第一戦目のアップでp†pが自己ベスト-230とか出た時は正直終わったかなと思った。

 

第一戦目 準々決勝 vs GEORGE氏

前回の打劇に引続きGEORGE氏と対戦。因みに前回の打劇以降RISLIMという文字列がすっかりトラウマになってしまった。

相手の得意傾向はガチ押しとソフランだが,スコア率差を考えると一体何を投げられるか不明だった。そういう意味では大会数日前に私が全一更新した音楽を投げられたのはかなり意外だった。罪過はスコア率差はあまり無かったものの,自己ベが負けていたので予想はしていた。

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投げる曲は直前まで延々と悩んだ。1曲目Confiserieは早期に確定していたが,もう1曲をどれにするかで悩んだ。今作やっていない曲が多かった(卑弥呼等)ため,先月末辺りまでやっていた記憶のあるp†pを投げることにした。

心構えとして,音楽については相手の自選を喰う気満々で臨んだ。ポイントで優位に立ってさえしまえばスコア率を気にする必要はないからである。

アップでは冷え過ぎた指を温めるため自選のp†pをやったが,前述の通り自己ベ-230が出てしまった。正直選曲間違えたかなと思った。

1曲目,Confieserie。これはどれだけ不調でもある程度は光るので即決だった。肝腎なのは相手の自選のソフランでptを取られてもそれを上回る差をつけねばならないことであったから,緊張状況下乍らもベストは尽くした。

2曲目,罪過。大会に出るなら必修で,予選後本戦までの間に幾度となく練習していたので特にプレッシャーは感じなかった。只中盤,光らせることに集中し過ぎてブレイクからの再加速時に白5を誤って白4してしまった。慌てて追加の白1をしたが,何とか相手の自選を喰うことに成功した。ここで気持ちが幾らか和らいだが,油断は許されなさった。今思えばこの罪過の適度なノーツ量が指の解凍になったと思われる。

3曲目,p†p。緊張状況下で指が上手く回らなかったが,アップよりはだいぶマシなスコアは出せた。後から聞いた話では相手は大外れを引いていたらしい。やはり大会では正規系で戦える曲が多いと圧倒的に有利になる。

4曲目,音楽。これは喰う気満々で臨んだが,動画で見返すと結構危なかった。開幕で既に30点近い差をつけられており,ここは相手が上手過ぎた。しかし何とか産卵地帯の右手の精度で巻き返した形だった。

 

第2戦目 準決勝 vs MYA氏

MYA氏はズレ跳ね系と皿が特に上手い選手で,とりわけサヨナラヘブンやGolden Palms等低難易度のズレ跳ねに関しては太刀打ちできないくらい上手いので,その辺りが飛んでくると予想していた。後日談では,当初Hella Deepとデッドボヲルを投げる予定であったが,アップで私がHella Deepを予習しないよう急遽私が全くやってなさそうなベイスドロップ(L)に変更したそうだ。私はまんまとアップでベイスドロップ(L)を予習したが,正直1回であの皿を把握するのは不可能だった。

MYA氏への対策として,低難易度のズレ跳ね系は無数に存在するためソフランや皿と違って対策を立てる時間が充分に無いことから,相手の自選を喰うのは難しいと予想しており,スコアレート勝負になると踏んでいた。従って自選で可能な限りの差を付けることを考えると,必然的に地力系になった。相手の嫌がるゴリゴリの地力系選曲*2で申し訳ないが,大会なので仕方ない。

1曲目,黒羽。大会では緊張状況下でどうしてもfastに偏ってしまいがちだが,こういった同時押し系は自然なバネの反動を使うため比較的その心理影響を受けにくく,選曲しやすい。GRID KNIGHT†やCODE:1,ディスコルディア,チアトレ等もそれに該当する。案の定93%は出すことができた。

2曲目,Hella Deep。前日にホテルでソフラン枠として予習はしていたが,跳ねがどこにあるかとか皿のリズムまでは確認していなかったので後半で差をつけられた。しかし曲が好きでよく聴いていたので,全く知らない曲ではなかったのが救いだった。因みに音雲にある赤城みりあのRomantic NowとHella Deepのマッシュアップは最高に笑顔になれるので是非万人に聴いて欲しい。

3曲目,黒イカ。どんなに調子が微妙でも大体鳥は乗る安定感があったので選んだ。やはり本番では緊張で縦連や軸がFASTに寄ってしまい鳥は出せなかったが,充分な差はつけられた。

4曲目,ベイスドロップ(L)。LEGACYをつけるかどうか悩んだが,アップで通常ノーツにCNがあったか思い出せず,結局つけなかった。結果的にはつけた方が良かったと思う。1回やった程度では皿を理解できずしっかりptは取られてしまった。ななひらにやられた。

 

第3戦目 決勝 vs MILK氏

決勝の相手は私のDP RIVALで,常日頃挑戦状を送受信しているMILK氏となった。相手の得意傾向は皿,ソフラン,ズレ跳ね系,単発と多岐に亙り,様々な曲の歴代を保持している。自他共に認める変な曲が得意な人である(失礼)。

唯一の弱点としてはLEGGENDARIAをはじめとしたゴリゴリの地力系で(それでも普通に上手いのだが),私が攻め入る分野としては地力系で確定していた。

寧ろMILK氏との対戦においては如何に相手の自選で差をつけさせないかが肝要であり,特に皿やソフランは無対策で臨めば忽ちのうちに圧倒的スコア率差をつけられかねないので,本戦までの間に様々な皿・ソフランを触った。その成果は冒頭の通り。

さて準々決勝の後から決勝の自選曲発表までかなりの時間があったが,直前まで延々と決めあぐねていた。ちなみに相手側も同様らしく二人してスマホと睨めっこしながら延々と唸っていた。

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スコア率差上位はこの通りではあるが,RIVALとしての勘と相手の得意傾向に鑑みて,単にやっていないだけと考えられるBlue Rain(L)やテレポ(L)は除外された。また緊張状況下での安定感の面からエンスケ(L)以外は正直微妙なところがあり,エンスケ(L)も最大3.96%差程度では心許なかった。やはり少なくとも5%は欲しいところであった。従って博奕にはなるが最もスコア率差の大きいGuNGNiR(L)とBeyond Evolutionを投げることにした。多少の博奕は仕掛けていかないと勝てない相手だった。

対戦前,筐体じゃんけんでこの日初めて相性の悪い右台を引いてしまった。忘れない内にシンプルノーツからライトノーツに変更した。

アップでは自選のビヨエボをやったが,やはり画面相性が悪く自己ベ-230近くが出てしまった。なるようにしかならんと気持ちを入れ替えた。

1曲目,Close My Eyes For Me。要復習リストに入れていたにもかかわらず完全に忘れていた譜面を相手が見事に突いてきたので最悪だった。曲は覚えているがほぼ初見の状態で臨んだ。明らかに最適オプションは正規ではなかった。かなりのスコア率差をつけられてしまったので正直終わったかなと思った。

2曲目,ビヨエボ。アップと比較すると割と光ったが,やはり緊張状況下では指が回らない傾向があった。後半で殆どスコア率差を拡げられず終了。

3曲目,桜。これは前日にホテルで動画復習していたので,喰うつもりで臨んだ。結果的にこの曲であまりスコアレート差がつかなかったことが勝因となった。後で聞いた話では,桜は動画復習だけでは後半の隣接皿の取扱を知悉できず,取りに行ってBADハマりを起こすだろうから選んだとのことだった。まさにその通りで,本番では譜面が来たまんま皿を取りに行ってPOORやGOODを量産してしまった。しかし前半が上手かったのであまりスコア率差はつかなかった。

4曲目,GuNGNiR(L)。理論上は最大のスコア率差がつく曲であったが,あまりに速いので手が充分に温まらないと抑も私が自滅する虞があり,かつ緊張状況下でFASTに偏った時の影響を考えると中々の博奕となった。しかし相手が乱を選んだ時点で内心間違った選曲ではなかったと思った。この譜面はあまりに速くかつ様々なパターンの繰り返し螺旋階段が降ってくるため,乱には基本的に当たり配置が存在しない。百歩譲ってR乱という譜面である。乱と正規系では大きな差が出る。やはり正規系で戦える譜面が多いと大会では圧倒的に有利となった。連皿地帯以外は及第点という光り方をして終了した。

結果的には何とか他選の損失分を自選で補填して余りあり,優勝することができた。

 

最後に

予選から本戦までの期間の間に,打劇の舞台として親しまれてきたドリプラ今池から弐寺が全て撤去されることが発表された。DPに理解があり,しかも大会を開いて頂けるような大変稀少なゲーセンが無くなることは,我々DPerにとっては途轍もなく致命的な心理的ダメージがある。打劇でしか名古屋に行く機会がない私でも悲しいのに,常連各位とドリプラ関係者各位のことを思うと本当に心が痛い。

なので本戦は最後になるかも知れない打劇で必ず優勝するという強い気持を持って臨んだ。

今後,打劇がどのような形になっていくかは誰も予想がつかないが,ここまでの打劇はドリプラ関係者各位の尽力と参加者各位の協力により紡がれてきたかけがえの無い歴史であり,いつの日か復活して欲しいと心から願うし,その際は積極的に私も参加し盛り上げていきたいと思っている。又もし復活に際しクラウドファンディング等があるなら,微力でも協力させて頂きたいと思っている。

ゲームセンターを取り巻く環境は全国的に見て確実に悪化している。理由には様々な憶測があるが,基本的には電気代の高騰,コロナ禍での在宅移行による客離れ等が特に響いていると思われる。私のホームもある日突然弐寺が2台減台され,スタダ240Pに値上げされたりした(後者は後に解消)。他方大阪では学生時代足繁く通ったアム茶が閉店した。全国的にゲームセンターの弐寺撤去や閉店が止まらない。いつも当たり前にある光景がある日突然なくなる可能性があることを認識し,いつものゲーセンに感謝しつつ,これからもゲーセンに努めて足繁く通いたい。又,遠征においては特にBPL参戦企業以外のお店(個人でやっているようなところは特に)を優先して回りたい。一ユーザーとしては,選択と集中ではなく,多様な選択肢が残るようになればいいと思っている。

 

*1:Compare画面しか使わないのでget要求は数回程度,サーバーに迷惑は絶対掛からない範囲

*2:MYA氏「出禁です」