カフカス旅行記 1 【グルジア】トビリシ~ボルジョミ

この春(2020年2月下旬),グルジアアルメニアアゼルバイジャンカフカス三国を旅行してきた。日本語の情報が少ないグルジア国鉄を頻繁に利用したので,旅行記として情報を残しておきたいと思う。

 

2020/2/18 トビリシ旧市街観光~ボルジョミ

 

昼頃,トビリシ国際空港に到着。入国時に赤ワインを貰えた。

到着ロビーはコンパクトなので,両替とSIMカード入手が速やかに行える。情報では空港の両替所のレートは悪くない筈だったが,私の時はかなり悪かった。SIMカードはBeelineにした。通話なし1GBで30日間5ラリ(=200円)という驚愕の安さだった。

Yandex.Taxiというアプリでタクシーを配車しトビリシ市街まで移動。このアプリは主に旧ソ聯圏*1で使えるタクシー配車アプリで,グルジアアルメニアで大活躍した。手配時に運賃が確定するので,ぼったくられる心配や値段交渉の必要がない。またUberと違って現金決済も可能なのが素晴らしい。

アヴラバリ駅近くまでは約30分,21ラリ(=840円)だった。

 

至聖三者大聖堂まで徒歩で移動。

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2004年完成の比較的新しい大聖堂。南カフカスで最大の宗教建築らしい。中も見学できる。

今度はメテヒ教会へ。

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建設時期は5C~13Cと諸説あるが,取り敢えずめちゃくちゃ古い教会。牢獄として使用されたこともある。中の見学もできる。礼拝している人のみならず,教会の前を通り過ぎる人やタクシー運転手が十字を切っていたのが印象的だった。

 

メテヒ教会の近くの公園から出ているロープウェイでナリカラ丘まで上がってみた。地下鉄やバスと共通の交通系ICカードがこのロープウェイの窓口でも購入できた。

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トビリシ旧市街を一望。右奥に至聖三者大聖堂,右手前にメテヒ教会が見えた。

丘の上を東方向に歩きナリカラ砦へ。

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ナリカラ砦。

丘を下り温泉街へ。トビリシには温泉があるが(公衆浴場と個室浴場がある),後日利用するのでこの時はスルー。

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重厚な煉瓦造りの温泉街。温泉は1番から5番まであり,恐らく手前から順にグレードが高くなる。右奥のモスクのような青い建物も温泉である。附近にも幾つか温泉がある。

 

アヴラバリ駅に戻り地下鉄でStation Squareへ。「トビリシ」を冠するグルジア国鉄の駅は3つあり,北からディドゥベ,トビリシ中央(Station Square),サムゴリとなっている。メインはトビリシ中央駅,空港に近いのはサムゴリ駅,トビリシから各地へのマルシュ(乗り合いバス)のターミナルとなっているのはディドゥベ駅なので,目的によって降りる駅を使い分ける。各駅とも地下鉄が通っている。地下鉄は均一運賃制で0.5ラリ(=20円)。

 

トビリシ中央駅で切符を購入。日本の銀行のように受付票を機械で発行し番号表示板で指定された窓口へ向かうシステムだった。これからボルジョミへ向かうので,ボルジョミまでの切符と,後日使う夜行列車(ウレキ→トビリシ中央)の切符を購入した。座席指定制の列車*2は,グルジア国鉄の公式アプリ「Railway Tickets」で主要停車駅の着発時刻の情報や運賃などを確認することができる(但し主要駅以外の時刻は全く出ない)。このアプリで予め列車番号と着発駅・着発時刻,車種(一等寝台など),運賃を紙に書いてパスポートと共に受付に渡すとスムーズに発券できた。窓口では結構英語が通じた。

なお,非座席指定制のエレクトリーチカ*3については公式サイト(Traffic General Schedule - English Railway)の始発駅発車時刻と終着駅到着時刻しか情報がなかった。エレクトリーチカを途中駅まで・途中駅から利用する場合,着発時刻は頑張って推定するしかない。

 

今回は列車番号#686のトビリシ中央16:15発ボルジョミ(Borjomi Park)20:25着のエレクトリーチカを利用した。運賃はわずか2ラリ(=80円)。

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日本の海外鉄道愛好家からは俗に「新幹線」と呼ばれる車輛である。前々から乗ってみたいと思っていたが早速乗れるとは思わなかった。愛嬌のある顔をしている。速そうな外見とは裏腹に,吊り掛け駆動方式の重低音を轟かせながら終始40km/h~60km/h程度で走る。

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乗って暫くして車掌が車内改札に来た。この車輛では乗車券を自分で少し破って入鋏し,前の座席の角に挟むスタイルらしい。

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車窓から。架線柱が独特。枕木の間隔が日本よりかなり狭い。

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夕陽と軌道と木が美しい。

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#686列車はカシュリ駅からクタイシ・バトゥミ方面へ向かう路線と分岐し,ボルジョミ方面へ向かう。

カシュリ駅を過ぎた辺りから,トビリシの大学生らが車内で映画撮影を始め出した。車内灯に赤いビニールを被せて赤色灯にしてモデルの女の子を置いて動画を撮っていた。長閑である。その後,日本人なんてあまり見掛けないので是非映画に出演してくれと言われたが,ボルジョミでは時間があまりないので断った。どんな映画だろうか。

20:50頃,約25分の遅れでボルジョミ(Borjomi Park)駅到着。ボルジョミはかなり雪が残っていて寒かった。駅近くのレストラン「My House」へ。

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ハルチョー,ヒンカリ,シュクメルリ,白ワイン(ツィナンダリ)を注文。どれも素晴らしくうまい。ハルチョーはパクチーの量が絶妙だった。台湾や中国の屋台でパクチーの入った汁物を食べると大抵パクチーの味しかしないのだが。

二人前で合計66ラリ(=2500円)と少々高くついたが,ワインをボトル一本空けているので,日本の感覚から言えば充分安い。

飯を食った後,宿へ移動。チェックイン時間を1時間ほど過ぎてしまった為かスタッフが不在で30分くらい中に入れなかった。野宿を覚悟しつつBooking.com経由でメールを送った結果,オーナーの弟が駆けつけてくれた。宿の人に迷惑をかけないよう余裕を持って行動すべきだった。宿は20ラリ(=800円)だった。 

 

カフカス旅行記2へ続く。

qjitai.hateblo.jp

*1:アゼルバイジャンでは使えない

*2:公式サイト上の"International Train"(国際列車),"Night Passenger Trains"(寝台列車),"Fast Trains"(特急)

*3:公式サイト上では"A Passenager Electro-Trains","Commuter Electro-Trains"(エレクトリーチカ)