カフカス旅行記 2 【グルジア】ボルジョミ・バクリアニ~ゼスタポニ

カフカス旅行記1の続きです。

2020/2/19 ボルジョミ・バクリアニ狭軌鉄道乗り鉄,ボルジョミ観光

 

ボルジョミ駅は二つあり,Borjomi Central Parkに近いBorjomi Park駅と,その一つ東隣のBorjomi駅がある。グルジア国鉄のサイトなどの「Borjomi」駅はBorjomi Park駅を指している。一方,ボルジョミ・バクリアニ狭軌鉄道はBorjomi Park駅ではなく,Borjomi駅から出ているので注意が必要

カフカス旅行記1にも書いたように,エレクトリーチカについては始発駅発車時刻と終着駅到着時刻の情報のみで,途中駅の着発時刻の情報は一切ない。公式サイト(Traffic General Schedule - English Railway)によれば,ボルジョミ・バクリアニ狭軌鉄道の始発列車(#6467)はBorjomi駅を7:15に発車する。またBorjomi Park駅を7:05に出発しトビリシに向かうグルジア国鉄のエレクトリーチカ(#685)が存在する。Borjomi Park駅とBorjomi駅の駅間は2km程度なので,恐らく#685と#6467はBorjomi駅で接続しているはずなのだが,ネット上には一切情報がなく確信が持てなかった。宿はBorjomi Park駅近くだったのでBorjomi Park駅から#685に乗って#6467に乗り継げると楽だったのだが,万一#6467に乗れないと今後の旅程が崩壊するため,大事をとってBorjomi駅まで歩くことにした。6:30に起床し,6:45には宿を出て,約30分の道程を20分くらいで走り(もっと早く起きよう…),Borjomi駅に止まっていた#6467に無事乗れたが,結局#685と#6467はやはり接続していた。しかも対面乗り換えが可能だった。

ボルジョミ・バクリアニ狭軌鉄道は車内で車掌から切符を買うスタイルで,運賃は2ラリ(=80円)だった。夏場は大勢の観光客が訪れる路線なので,観光列車らしく大きな窓を備えていた。窓は開閉できた。列車最後尾に乗ると後面展望も楽しめる。

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車窓から。機関車のパンタグラフは終始こんな感じでスパークしていた。

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とにかく山が綺麗だった。

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9:25,バクリアニ到着。ЧС11型電気機関車が雪景色に映える。

バクリアニは水の産地として有名で,グルジアではそこら中でBakuriani Waterが売られている。私は今まで「おいしい天然水」というものが理解できなかったが,このBakuriani Waterを飲んで初めて理解した。それくらい水がおいしい。

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機回し作業中。機回し線への転轍機が凍っているためまずこれを人力で削るところから始まる。

機回しが完了すると,そのままバクリアニ10:00発Borjomi行きの折り返し列車(#6468)となる。列車は10:00に定発。

帰りの車内は観光客らしき人達で一杯だった。東洋人は目立つので色々声を掛けられた。私の隣にボルジョミ・バクリアニ狭軌鉄道の職員らしきお爺さんが坐っており,私が持っていたニューエクスプレスグルジア語を興味深そうに読み,実際に発音してみせたりしてくれた。また沿線各所の絶景ポイントを知り尽しており,ここで写真を撮るといいなどと一々教えてくれた。

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車窓から。

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Borjomi駅には17分遅れで12:40頃に到着。隣に坐っていたお爺さんが機回ししており,別れ際に手を振ってくれた。

ボルジョミの中心はBorjomi駅ではなく一つ西隣のBorjomi Park駅で,飲食店もそちらに集中している。この時間グルジア国鉄の列車は皆無なので,タクシーでBorjomi Park駅まで移動した。

昼食は昨日と同じレストランで摂った。

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ヒルトゥマ(鶏のスープ),アジャリハチャプリ(卵の載ったハチャプリ),イメルリハチャプリ(グルジア人が一番よく食べるらしいピザ状のハチャプリ),ヒンカリ,ブリヌイ。明らかに昼飯に摂ってよいカロリー量ではない。チヒルトゥマは美味かったが,ハルチョーの方が好みだった。イメルリハチャプリは最初はうまかったが量が多く途中で飽きた。

 

昼食後,Borjomi Central Parkへ。ボルジョミも水で有名な街だが,その味は超個性的らしい。このBorjomi Central Parkではその水を試飲できる。

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ここの蛇口から水をペットボトルなどに取って飲むことができる。早速飲んでみたが,不味過ぎて一口で限界だった。錆びた鉄棒を舐めたような味で,しかも不気味な生温さがまずさに余計に拍車を掛けていた。しかし周りのグルジア人は皆巨大なボトルを持参し淡々と水を注ぎ入れ持ち帰っていた。

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公園の奥にあった難易度が高過ぎるアスレチック。地上から優に5m~7m程度はある。

プロメーテウスの像の前まで散歩したところで,Borjomi Park駅まで引き返した。

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Borjomi Park駅の西側地点。奥側がBorjomi Park駅で,手前側はアハルツィヘ方面に伸びているが,今も使われているのかは不明。少なくとも旅客輸送はやっていない。アハルツィヘへはボルジョミのバスターミナルからマルシュで行くことができる。

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Borjomi Park駅16:45発トビリシ行き(#617)に乗車。昨日乗った車輛と微妙に前照灯の形状が異なる。翌日朝早くにチアトゥラに行くため,この日の内にゼスタポニまで行く。

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車内券売機。2ラリ入れるとレシートのような乗車券が出る。

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ゼスタポニに行きたいので,この列車を途中のカシュリ駅で降り,カシュリ19:13発ゼスタポニ20:50着の優等列車(#874)に乗り換える。先述の通りエレクトリーチカは途中駅の着発時刻の情報が一切ないので,乗換えに若干の博奕要素があったが,結局#617は18:25頃にカシュリに到着したので大丈夫だった。カシュリ駅で#874の切符を購入。

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カシュリ駅の時刻表。

カシュリから#874に乗りゼスタポニに移動した。座席指定列車は乗車口に立っている車掌に切符とパスポートを見せて乗車する。

21:00頃ゼスタポニ到着。

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駅で翌日利用するチアトゥラ方面行きエレクトリーチカ(#633)のゼスタポニ到着時刻を押さえた。ゼスタポニ6:29着らしい。

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宿へ移動する間に通った人道橋。床版が薄い鉄板一枚で,踏んだ途端大きな音を立てて凹むので踏み抜かないかめちゃくちゃ怖かった。

宿はシャワーのお湯がいつまで経っても出ず凍えた。友人曰くシャワーのお湯が出ない時はミリ単位の微調整とお湯が出ない間の忍耐力が必要らしい。

寝る前に入国審査で貰ったワインを飲んで寝た。悪くはない味だったが,やっぱりツィナンダリの方がおいしい。

 

カフカス旅行記3へ続く。

qjitai.hateblo.jp