カフカス旅行記 3 【グルジア】チアトゥラ

前回の↓カフカス旅行記2の続きです。

最初からはこちら(カフカス旅行記 1 【グルジア】トビリシ~ボルジョミ - ながさっちゃんぽん

 

2020/2/20 チアトゥラ~バトゥミ

 

この日は私がグルジアで最も楽しみにしていたチアトゥラに行く。

6:00に起床しゼスタポニ駅に移動。6:29,サチヘレ行き列車(#633)が定刻に入線してきた。運賃は1ラリ(=40円)で,トビリシ~ボルジョミのエレクトリーチカより更に安い。

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チアトゥラ到着目前で線路障碍物(?)により暫く停止中の車窓。

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8:24,チアトゥラ駅到着。時刻表上は14km離れたサチヘレに8:55着なので,恐らく数十分の延着。

チアトゥラはクヴィリラ川沿いに伸びる街で,周囲の山上でマンガンが採れ,川沿いの市街地と山上の採掘地を数多のおんぼろロープウェイが結んでいる。以前からそのチアトゥラのやばそうなロープウェイに乗ってみたかったのだが,残念ながら2019年夏頃に老朽化のため運行を停止してしまった。

駅を北東に出て,地下道を通りクヴィリラ川の方向に歩く。Google Mapはロープウェイが地図に出ないので,MAPS MEを使って散策した。

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地下道を出てそのまま川方向へ北へ歩くと見えるTkhelidze駅。ここから3本のロープウェイが伸びているはずだが,肝腎の搬器(人が入る箱)がどこにも見当たらなかった。写真右側の路線に至っては索条(ロープ)すら架かっていない。どうやら老朽化したロープウェイを更新している真最中のようだった。

この地域の人達にとってロープウェイは不可欠な生活の足だったはずだが,今彼らはどうやって街と山上を行き来しているのだろうか。車だとかなりの迂回を強いられる。

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索条は伸びているが搬器は撤去されていた。

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Tkhelidze駅の東側200mくらいの橋から。先程ロープウェイに搬器がなかったので,もしや全てのロープウェイから搬器が撤去されているのではと危惧したが,そんなことはなかった。奥側に川の上に停まった搬器が見える。

橋を渡り,この橋の東側に架かるもう一つの橋の北詰附近にあるロープウェイ駅(名称不明)へ向かった。

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チアトゥラの街。

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駅到着。とても半年前まで稼働していたとは思えない頽廃ぶり。索条も錆びまくっていた。

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この駅からは北北東方向と南東方向にロープウェイが出ている。先程橋から見えたのは南東方向のロープウェイで,この写真の青い搬器は北北東方向のロープウェイ。この覗き穴が2つついた搬器こそ私が見たかったものであり,感動も一入。

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まさに見たかった光景!実際に乗ってみたかった。

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ソ聯っぽい住宅や建造物が櫛比している。山上にも高層住宅が建っている。

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川の南側に渡り,最初に見えた川の真上で停まっている搬器を間近に見に来た。

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ズーム。やはり半年程前まで稼働していたとはとても思えない。

川沿いの道を西へ歩き,西側の橋の南詰から地下道を通ってChavchavadze駅へ。

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こちらも見事に搬器が残されていた。

しかし今残っている搬器も暫くすると更新工事により姿を消すのだろうか。おんぼろロープウェイに乗る事はできなかったが,姿を消す前には訪れることができたので良かった。

一度チアトゥラ駅に戻り,帰りの列車(#634)の時刻を確認する。駅には時刻表もなく駅員もいなかったので,プラットホームにいたおじさんに聞くと,11時発らしかった。ゼスタポニで12:54発のオズルゲティ行き列車に乗れないとまずいのだが,行きにゼスタポニ~チアトゥラでほぼ2時間かかったことに鑑み,安全策を採って結局帰りは#634ではなくマルシュを利用することにした。

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Abashidze駅。ここから2本のロープウェイが伸びているはずだが,索条は架かっているが搬器は撤去されていた。

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索条を張る巨大な柱だけが残されていた。

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ロープウェイの現状を纏めた。Tkhelidze駅とAbashidze駅から伸びるロープウェイは全て搬器が撤去されていた。★は搬器が残っていた箇所。あと暫くすると撤去されてしまうのかも知れない。

バスターミナルでチケットを買い,ゼスタポニ行きのマルシュに乗り込む。チアトゥラは便の少ない電車よりマルシュで来る人が多いようで,トビリシ行きのマルシュが頻発していた。マルシュは運転手の気が済むまで客を乗せると発車するスタイルなので,発車時刻は全く読めない。結局10:30頃に乗り込んでから40分くらい待って11:10に漸く発車した。

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悪路ではあったが9人乗りのバンに7人だったので非常に快適だった。

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12:13,ゼスタポニのバスターミナルに到着。電車で2時間かかったところを1時間で移動した。

ゼスタポニのバスターミナルからゼスタポニ駅までは1.6km程なので,歩いて移動できる。

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道中購入したシャウルマがめっちゃくちゃうまかった。

ゼスタポニから12:54発のオズルゲティ行き列車(#12)に乗車。これからバトゥミに向かうが,この列車はオズルゲティ行きなので途中のウレキ駅で下車しタクシーで移動する。

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この列車(#12)はトビリシ~リオニ間はクタイシI行き列車(#18)と併結して運転され,リオニ駅にて切り離しを行う。リオニ駅での切り離し作業中,架線点検用と思しき車輛が見えた。

15:36,ウレキ到着。ウレキ駅からタクシーに乗車。運転手はアンダーグラウンドを極めたようなおっさんで,金と女の話しかしなかった。途中,よくわからない場所で車が立ち往生していたので,「あれは何?」と聞くと「カーセックス」と返された。

 

カフカス旅行記4へ続く。

qjitai.hateblo.jp